広辞苑によれば、「瓦」とは「粘土を一定の形に固めて焼いたもの」を指します。ここでは様々な種類・形状の中から現在、主に使用されている「瓦」をご紹介します。
現在使用されている大部分がこの釉薬瓦です。粘土を成形・乾燥した後、ガラス質のうわ薬である釉薬を施してから焼成して出来上がります。釉薬によって様々な発色が可能で、色・形状ともに瓦のなかで一番多くの種類があります。
日本建築の屋根に多く見られるいぶし瓦。渋い銀色の光沢と清楚な美しさは、日本の風土に根ざした深い味わいと伝統の確かさを感じさせます。洋風志向が高まる昨今でも依然として根強い人気があります。
いぶし瓦は釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする薫化工程が特徴です。このときLPGなどで素地表面に銀色の炭素膜を形成させます。